1959年からのボンネビルの血統を受け継ぐモダンクラシック
初代ボンネビルが登場したのは1959年のこと。ブリティッシュツインの代名詞ともいえるボンネビルシリーズの歴史はここから始まった。
ボンネビルという名前の由来は、アメリカ・ユタ州にあるボンネビル・ソルトフラッツという塩湖が干上がった平原の名前から来ている。ここでは毎年8月にボンネビル・スピードウエイというイベントが開催され、地上最速を競うスピードウィークが行われている。
トライアンフは、1955年にこのイベントで、チューンされた650ccサンダーバードエンジンを搭載したストリームライナーで約310km/hの記録を樹立している。
そんなボンネビルシリーズのストリートツインは、900ccエンジンを搭載し最高出力60ps/7,500rpm、最大トルク80Nm/3,800rpmというスペックで、日常で使われる回転域を意識してビギナーでも乗りやすい大型バイクに仕上げられている。
この形こそがバイクだ。といわんばかりのモダンクラシックスタイル。ただ、トライアンフは新しい形に挑戦しないからこのスタイルにしているのではない。スピードトリプルのスタイルなどを見てもらうと分かるが、独創的なスタイルにも挑戦しつつ、この機能美を極めたモデルを大切にしているのだ
もっと走りたくなる、グイグイくるトルク感
高いギヤ、低い回転数で、スロットルをいつもより大きめに開けて感じるグイグイ感。なかなか他では味わえないフィーリングにグッとくる。
普段の穏やかさと伝統のパラレルツインの鼓動感、そして高速道路での追い越しも900ccの大型らしい加速が気持ち良い。僕が大型バイクを探しているときに、このバイクに試乗していたらその日のうちに印鑑を持ってショップに訪れていただろう。そのくらい気持ちよく、乗り手を楽しませてくれるバイクだ。
ツーリング中にふと出くわしたワインディングでも、高速道路などの直線でもシンプルだからこそ飽きさせることがない。
また、ドコドコと小気味良いリズムを刻むエキゾーストノートは、現行モデルの中で群を抜く心地よさだ。
トライアンフのパラレルツインエンジンはバイクの楽しさを訴えかけてくるようだった
マフラーは左右2本出し。チェーンは珍しい右側で引いている
初めての大型バイクにもおすすめできる
中身は最先端だが、全体的にシンプルにまとめられているトライアンフ ストリートツイン。同社のスピードトリプルなどの最先端スポーツバイクに比べると限界値は低い。しかし、その限界値の低さは公道での使用領域ではまず影響はない。
逆に、それらに比べて限界値が低いからこそ、車体からライダーに豊富なフィードバックがある。このバイクに乗って、ただ楽しんでいれば大型バイクの特性にもすぐ慣れるだろうし、どんどんライディングが上手くなっていけるようなバイクだ。
シート高は765mmと低く、着座位置のあたりが絞られた形状になっているため、足着き性の面では背の高くない人でも安心して乗車することができる。
メーターはシンプルで必要なことを簡潔に伝えてくれる
シートは前モデルから10mm厚くなり、快適性が向上。足着き性は、損なわれていない
また、価格も110万5,000円とボンネビルシリーズの中では一番手が届きやすい設定となっているのもオススメできるポイントだ。外装はシリーズの中でもシンプルなモデルのため、トライアンフ純正パーツでカスタムを楽しんでいくこともできるだろう。
2021年モデルから各種電子制御も追加され、スロットルバイワイヤ、ロードとレインのモードセレクト、スロットルマップ、トラクションコントロールなど安全性とコントロール性をサポートしてくれる。ハンドルに取り付けられたスイッチで直感的に調整が可能だ。
ジェントルかつ、アクティブなストリートツインは永く乗り続けられる、良き相棒になるバイクだ。
New Bonneville Street Twin Features and Benefits
SPEC
- 最大トルク
- 80Nm/3,800rpm
- 変速機
- 5速
- フレーム
- ツインクレードル
- 車両重量
- 217kg
- ブレーキ
- F=φ310mmシングル R=φ255mm
- タイヤサイズ
- F=100/90-18 R=150/70R17
- シート高
- 765mm
- 燃料タンク容量
- 12L
- 価格
- 110万5,000円