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タイヤの銘柄を変えると乗り味が変わるって本当ですか?

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A.メーカーのノウハウやカテゴリーによってフィーリングに差が出ます

タイヤを交換すると、メーカーによって乗り味がかなり変わると言われています。
また、ハイグリップタイヤとツーリングタイヤでもぜんぜん違うんですよね?
それが本当だとすると、そもそもバイクの性格も変わってしまうのでは……

同じサイズでもメーカーによってプロファイルや内部構造が異なる

同じサイズのタイヤでも別の銘柄に替えると、乗り味というかハンドリングが随分と変わります。

たとえばリーンしたときの手応えで、ややリーンする速度が遅くなる、つまり重く感じたり、逆にリーンが鋭く軽快に、これはフラッと倒れ込むような不安を覚えたりと、交換する前に馴染んだ感覚との違和感があったりします。

これは同じサイズのタイヤでも、タイヤメーカーによってプロファイルと呼ばれる断面形状が違ったり、内部構造でカーカスと呼ばれるタイヤ形状や強度と減衰特性を左右する繊維の材質や積層している枚数が違うためです。

基本的には設計時に狙った特性に大きな違いがあるというワケではないのですが、タイヤメーカーそれぞれが積み上げた技術力で達成させるため、リーンなど車体の動きには異なるフィーリングとなるのが一般的です。

それを防ぐには新車時に装着されていたタイヤと同じ製品に交換すれば良いということになります。

この新車に装着されていた銘柄はOEM(製造工場の組み立てラインで装着される)と呼ばれ、同じタイヤメーカーの同じ銘柄の同じサイズといっても、タイヤショップやバイク用品店で売られている製品と内容的に若干違っていることが多いのです。

つまり厳密に同じモノとこだわるのであれば、ちょっと割高になりますがバイクメーカーの純正部品を取り寄せてもらうしかありません。

しかし、その同じ製品であっても、交換前にはすでに摩耗して断面形状が変わっていたり、衝撃吸収で繰り返し揉まれてきたカーカスの強度や減衰特性も変化しているので、同じタイヤであるはずなのに新品に履き替えると当初はどこか違う感じがします。

しばらく走れば感覚が馴染んできますが、少し違うぞという先入観が抜けないと、タイヤ交換してから乗りにくくなったと思い続けてしまうケースもあります。

エエ~ッ、そんなにややこしいんだ……不安を大きくしてしまったらゴメンナサイ。

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メーカー独自の技術とコンセプトが差に表れる

同じサイズのタイヤであっても、メーカーによってそのフィーリングは様々。内部構造やプロファイルの違いなど、設計コンセプトや狙いが異なり、それが表れるからだ。だからこそ、いろいろなメーカーのものを試し、好みのタイヤを見つける楽しさがある

新しいタイヤを履いて、タイヤ選びの楽しさを知ろう!

お薦めは、このタイヤ交換を契機に、最新のタイヤを選ぶことです。

タイヤは日進月歩で進化していて、毎年あるいは2年も経てば新型に変わっているものです。その進化内容も、グリップ性能や耐摩耗性の向上だけでなく、軽快だけど不安感の少ないバランスの良さなどフィーリングでも受け入れやすい特性へ進化しています。

ただツーリングバイクには、ツーリングスポーツというカテゴリーのタイヤを選びましょう。グリップ性能だけ求めてハイグリップモデルを装着すると、確かに限界グリップは高まりますが、乗りやすさや耐摩耗性が犠牲になります。

また逆にスーパースポーツだからといって、必ずしもハイグリップモデルを装着しなければならないというものでもありません。

むしろ最新のツーリングスポーツモデルは、グリップ性能はちょっと前のハイグリップ並みで、ハンドリングや耐摩耗性など総合性能も優れています。

それと温度依存といわれる、走行して暖まらないとグリップしないといったハイグリップの泣きドコロも、ツーリングスポーツだと安心できるメリットがあります。

雨が降ったり冬場の外気温や路面温度が低い状況では、スーパースポーツにもツーリングスポーツが絶対にお薦めです。

とはいえ、タイヤメーカーも複数あってどこのブランドを選んだら良いか、そこから迷いますよネ。
バイク雑誌やWEBでも、試乗記事があるのでそれをご覧になるのが一番参考になると思います。

しかし、ベストチョイスとか、最高の性能を、と思って探すとそういう評価はほぼ見つかりません。

タイヤはトレッドのグリップ性能といっても、急激にスリップしないようダンピング性能とのバランスで成り立っているからで、感覚的には穏やかな特性のほうが乗りやすくコーナリングも良かったりします。

たとえばご自分がどこに一番不安を感じるか、その視点でテスト評価をご覧になると候補を絞り込みやすかったりします。

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銘柄は同じでもOEMとリプレイス品は仕様が異なることも

新車に装着されているOEMタイヤは、バイクの開発時から装着され、専用設計とされていることもある。そのため、同じ銘柄のリプレイス品でも、厳密に同じ設定とはいえず、フィーリングが異なることが多い

Words:根本 健 Photos:柴田 直行,真弓 悟史,本田技研工業