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宮城 光のAction Speed Tokyo Vol.3 「2020年の感謝、変化する社会と自動車」

2020年、読者の皆様とRIDE HIの創刊を一緒に迎えられたことに感謝!

今年は私にとっても大きく変わる一年だった。生活環境の変化や、ソーシャルディスタンスに配慮した新しいビジネス形態等々。そんな中での喜びは、なにより新媒体RIDE HIの創刊から読者の皆さんとご一緒できたことがいちばん。本誌編集長の小川君とは創刊前に何度もディスカッションを行い、少しでも良いかたちでバイクの魅力を伝えることを検討した。

まだ、2号という新参者ではありますが、誌面とWeb共々多くの皆様にご賛同いただいたことへ、この場を借りお御礼申し上げたい。

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急激に変化する自動車業界の流れ

さて変化と言えば、我々乗り物好きにとっては無視できないニュースとして「2030年代半ばに純ガソリン車新車販売禁止」ということをメディアが配信した。政府発表が間近と見た大手メディアからの情報だけに、大きな波紋を呼んでいる。

この件、四輪で言えば世界初のハイブリッドカーであるトヨタプリウスが1997年に発売されて以来、各クルマメーカーが次世代のクルマとして急ピッチで開発に取り組んできたことは事実だ。
ガソリンエンジンとモーターとのマネージメントはこの数年大きな進歩もあり、その陰には高品質なリチウムバッテリー等の流通を含めたインフラが整ってきたことも大きな要因だろう。

また、ベンチャービジネスとして多くの投資家から支持を受けたことで開発費を集められた企業は、シャシープラットフォーム、パワーユニット、エレクトリックコントロールユニット、ボディデザインにインテリアというユニットアッセンブリーをそれぞれの専門メーカーへ発注し、組み上げを自社で行うことで新興自動車メーカーとして稼働させている。
つまり、トヨタの取り組みから20年以上の時間を掛けて四輪に関してはようやく製造地盤が固まりはじめている。

ガソリンエンジンで豊かになった日本

先に波紋と書いたのには訳がある。ガソリンエンジン車誕生から135年。20世紀の移動の主はクルマやバイクだったはずだ。そしてその多くはガソリンを使用し、それらの製品を製造するメーカーと関連会社には長い歴史がある。現在も設備のほとんどがガソリン車向けの物だろう。

振り向けば、この国は過去の大きな過ちから復興するために、良い製品を作り輸出し、外貨を稼ぐことで豊かになった。その筆頭はガソリンで走るバイクとクルマだった。
それら自動車メーカーや関連会社にも、政府が唱える「カーボンニュートラル」に向けた準備が迫られることになる。

これから、自動車業界全体として大きな変化が必要

ガソリンエンジン車の長い歴史、世界初のハイブリッドカー・トヨタプリウスから23年。
バイクの世界では私の携わったマン島TTレース参戦マシン、電動バイクレーサー「神電」の開発から10年。市販車ではハーレーダビッドソンが電動バイク「ライブワイヤー」を発売したことで、ようやくフルサイズの電動バイクが一般に購入できるようになったばかりだ。

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無限 神電

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ハーレーダビッドソン ライブワイヤー

欧米に比べ、インフラを含む電動化へ時間が掛かっている国内。関連会社もCOVID-19の影響がある中、今までの事業形態から変換を求められることへの懸念も隠せない。ならば、他国のように政府介入による事業補助金等も大幅に増やすことが必要だろう。自動車産業界にも大きな変化が求められている。
しかし、直近の問題は現在の経済不安をいかに落ち着かせCOVID-19を終息させるかである。

今までの日々がいかに豊かであったか。2021年は、愛するバイクで、気の合う仲間との時間を思いっきり楽しみたいものだ。