他との違いはプロテクションの実効性
ツーリングシーズン真っ只中を前に、バイクで出かけたくてウズウズしているに違いない。ただ行楽シーズンになれば、事故のリスクも増える。
そこで今シーズンは万全を期して、まだあまり知られていないエアバッグを着るプロテクションについてご紹介しておこう。
クルマでは安全装備の常識となったエアバッグだが、バイクではまだ開発途上で実用化の普及率は低い。そんななか、ひとり大きくリードしているエアバッグ・システムとして、ダイネーゼが開発した「D-air Air Bag System」がある。
欧州安全認証である4種のEN規格のうち、胸と背中の両側(EN1621-4)で認可を取得しているという優れものだ。この規格でエアバッグ・プロテクターとしての認可はダイネーゼだけである。
停車中でも追突されると展開する圧倒的な違い
本エアバッグは3種の加速度センサーとGPSによってライダーの状態を認識していて、その検知の更新速度は1,000分の1秒単位。ハイサイドのような急激な転倒にも対応する反応と動作速度を備え、胸部から鎖骨、首周囲、背中の広範囲にわたって衝撃から身体を保護してくれる。
その範囲はバイクが停車中でも、アイドリングしているエンジンの振動を検知、後部から追突されても瞬時に作動するのだ。
エアバッグの作動には専用ガスボンベを採用しているが、転倒のダメージでジャケット構造に損傷がなければガスボンベの交換のみで再び利用することができるのも見逃せない。
ボンベによって瞬時に高圧が充填されると、ダイネーゼ独自の特許技術を駆使したマイクロフィラメント構造の張力で強固な鎧と化し、脊椎プロテクター7枚分、胸部プロテクター8枚分に相当する頑丈さが最大の特徴だ。
ご覧のベスト型「スマートジャケット」は通気性もよく、冬はインナー、夏はアウターなど季節を問わず、街乗りから長距離ツーリングまで幅広いシーンで着用できる。重量は1,800gと軽量で、折りたたんで携行することも可能。公道用には袖付きジャケットも加えられ、サーキット走行やレース用には仕様の異なるレーシングスーツへ内蔵するタイプも揃えられ、長年の開発ノウハウによる多様な対応で多くの信頼を得ているのだ。
ダイネーゼ
1972年にイタリアで設立された、モーターサイクルウエアブランド。数多くの有名ライダーにレーシングスーツを供給する。世界で初めて、バイク用のプロテクターを開発したことでも有名。デザイン性と安全性は、"From Head To Toe(頭からつま先まで)"のコンセプトでプロデュースし続けている。
またアクティブにスポーツを楽しむユーザーに向け、スキーコレクション、MTBマウンテンバイクコレクション、乗馬コレクションも展開する。