世界で戦うクシタニライダーを追うこの企画。第6戦スティリアGP、Moto3クラスの小椋が今季4度目の表彰台を獲得
8月23日、MotoGP第6戦スティリアGPの決勝レースがオーストリアのレッドブル・リンクで行われた。
■Moto3クラス
Moto3クラスの決勝レースでは、小椋 藍(Honda Team Asia)が8番手からスタートすると、オープニングラップで5番手にまでポジションをアップ。トニー・アルボリーノ(Rivacold Snipers Team)やガブリエル・ロドリゴ(Kommerling Gresini Moto3)、鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)などがレースをリードする中、小椋は2周目にはファステストラップをマーク。序盤は5番手付近で周回を重ねた。
レース折り返しの12周目、小椋は8番手付近に後退。しかし14周目には再び5番手付近に浮上し、集団を形成するトップグループの中で表彰台を狙える位置をキープ。
残り6周、小椋は佐々木 歩夢(Red Bull KTM Tech 3)をとらえて3番手に浮上。その翌周の1コーナーで、小椋のすぐ後方を走っていた佐々木に5番手を走っていたデニス・オンジュ(Red Bull KTM Tech 3)が追突し、佐々木とオンジュは激しく転倒。戦線から離脱した。
3番手を走る小椋は、トップのアルボリーノと2番手のチェレスティーノ・ヴィエッティ(SKY Racing Team VR46)を追う。小椋は残り3周で2番手につけたものの、その翌周には再び3番手に後退。4コーナーのブレーキングでアルボリーノを交わそうと試みるが、ここではラインがワイドになり、3番手をキープ。終盤のポジション争いは、一瞬も気が抜けない激しい展開。
迎えた最終ラップ、小椋は3番手。トップのヴィエッティ、2番手のアルボリーノとの差は少し広がっていく。小椋は4番手以下のライダーを抑える走りでポジションをキープし、コントロールラインを通過。トップのヴィエッティ、2番手のアルボリーノに続く3位を獲得した。小椋にとって、今季4度目の表彰台獲得となり、チャンピオンシップのポイントランキングでも、トップのアレナスに次ぐ2番手をキープした。
國井勇輝(Honda Team Asia)は28番グリッドからスタート。22位でフィニッシュとなりました。
小椋 藍(Honda Team Asiaプレスリリースより)
「改めてまた表彰台に上ることができて良かったです。勝つことにとても近い位置にいますが、いつもそれを逃がしてしまいます。他のライダー達が持つ何かをまだ持っていないのだと思います。コースの中、コースの外でその何かを見つけなくてはいけません。最後のラップでは、先週のように表彰台を逃さないよう、グリーンエリアに触れないことを集中して考えていました。ただ、今日のパフォーマンスには満足しています」
第6戦スティリアGPで3位表彰台を獲得した小椋。なかなか勝てないが、レース終盤にトップ集団に入り込む粘り強いレースが続いている
レース後半に強い小椋、粘りの走りで3位フィニッシュ
國井勇輝(Honda Team Asiaプレスリリースより)
「昨日、走行する都度、気合が入りすぎ、ストレスとなり、それが自分のライディングに悪い影響を与えていることがわかりました。今日、朝のウォームアップ走行の時、もっとリラックスして乗ることを試してみたら、改善が見られました。レースでもポイント獲得圏外であっても、これを続けようと思いました。レースの間も、もっと改善できるように努力しました。私は、今、これに集中して取り組む必要があります。次戦ミサノまで、2週間あります。私は、今の状況を続けたくありません。ここオーストリアで何を変える必要があるのかを学びました」
今季Moto3クラスフル参戦デビューの國井勇輝
22位でレースを終えた國井
■Moto2クラス
Moto3クラスに続いて行われたMoto2クラスの決勝レース。今季ベストグリッドとなった16番グリッドからスタートしたソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)は、オープニングラップで11番手にまでポジションを上げ、2周目もその位置をキープ。
しかし3周目の3コーナー、チャントラの後方からサム・ロウズ(EG 0,0 Marc VDS)がイン側に入り、ロウズのマシン左側とチャントラのマシン右側が接触。これによってチャントラ、ロウズはともに転倒。さらに、ホルヘ・ナバーロ(+EGO Speed Up)も転倒したロウズのマシンに当たって転倒。3台が絡むクラッシュとなった。なお、ロウズはこの走行が無責任なものだったと判定され、次戦サンマリノGPの決勝レースをピットレーンスタートとするペナルティが科された。
アンディ・ファリド・イズディハール (IDEMITSU Honda Team Asia)は22番グリッドからスタートし、24位でレースを終えた。
ソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより)
「今朝のウォームアッから、調子がよく、ラップタイムでも今週のベストを出すことができました。レースに向けて気持ちも高まり、良い結果を得られるのではと期待しました。レースではスタートも決まり、トップグループに迫ることができました。しかし、1人のライダーが転倒し、私に接触し、私も転倒してしまいました。良い結果を得ることはできませんでした。でも、これがレースです。次のミサノではもっと強くなります」
チャントラは11番手走行中、他車との接触により転倒リタイア
アンディ・ファリド・イズディハール (IDEMITSU Honda Team Asia)
「この週末は、期待通りとはなりませんでした。初日から今日にかけて私自身も大きく改善できていると感じました。今日の私のペースは、トップ15のライダー達に近いものでした。しかし、ミスを犯し、グラベルに入ってしまい、大きく順位を落としてしまいました。レースを続けましたが、順位を回復することはできませんでした。いずれにしても、ここオーストリアで日毎にトップライダーに近づくことができました。これは今週末の私のポジティブな部分です。」
24位でフィニッシュしたアンディ