MotoGP第18戦バレンシアGP／小椋藍は最終戦を負傷欠場。ランキング8位でMoto2クラス参戦1年目を終える【世界で戦うクシタニライダー】

11月14日、MotoGP第18戦バレンシアGPの決勝レースがスペインのサーキット・リカルド・トリモで行われた。クシタニがサポートするMoto2クラスのIDEMITSU Honda Team Asiaライダー、ソムキアット・チャントラは19位。Moto3クラスのHonda Team Asiaライダー、國井勇輝は転倒リタイアでレースを終えた。

Moto2ライダーの小椋藍は前戦アルガルベGPでの転倒により左足小指の骨折を負い、このために今大会を欠場した。また、Moto3ライダーのアンディ・ファリド・イズディハールはフリー走行3回目の転倒により左手を骨折し、決勝レースをキャンセルしている。2021年シーズンの最終戦として開催されたバレンシアGPには、チャントラと國井の2人が挑んだ。

また、バレンシアGPは2021年シーズンをもって引退するバレンティーノ・ロッシのラストレースとなり、大きな注目を集めた。1996年から26年間、ロードレース世界選手権に参戦し続け、125ccクラスと250ccクラスでそれぞれ1度、最高峰クラスで7度のチャンピオンを獲得して時代を築いたロッシは、最後のレースを10位で終えている。MotoGPクラスの決勝レース後には、ロッシへ大きな拍手と歓声が贈られた。

Moto2

チャントラは8列目24番グリッドから決勝レースをスタート。しかし、スタート直後の2コーナーで3人のライダーによる転倒が発生。この転倒によってコース上にオイルが流出し、路面状況回復のためにレースは赤旗中断となった。

約20分間の中断後、レースは当初のグリッドで、25周から16周に周回数が減算されて行われた。チャントラは再び24番グリッドからスタート。1周目に19番手に浮上し、レース中盤には後退したもののその後再びポジションを上げ、19位でフィニッシュした。

最終戦を終え、小椋はランキング8位。Moto2クラスのルーキーにして、第11戦オーストリアGPで2位表彰台を獲得、2戦でフロントロウに並ぶなどの活躍を見せた。チャントラはベストリザルト5位（第11戦オーストリアGP）で、ランキングは18位だった。小椋とチャントラは、2022年シーズンも引き続きIDEMITSU Honda Team AsiaからMoto2クラスに参戦することが決まっている。

また、このレースでは2021年シーズンMoto2クラスのチャンピオンが決定。チャンピオンを争ったのは、1987年ロードレース世界選手権500ccクラスチャンピオン、ワイン・ガードナーを父に持つレミー・ガードナーと、ラウル・フェルナンデス。Red Bull KTM Ajoのチームメイト同士によるタイトル争いとなった。レースではフェルナンデスが優勝を飾り、ガードナーは10位フィニッシュ。しかし、わずか4ポイント差でガードナーがMoto2クラスのチャンピオンに輝いた。

ソムキアット・チャントラ（IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより）
「今朝のウォームアップで、レースに向けて最高の状態にするために少しセットアップを変更しました。レース序盤に赤旗が掲示されたことで、16周のレースに短縮されました。再スタート後、最初からプッシュしたのですが、途中からタイヤのグリップが落ち、空転するようになってしまい、それ以上、無理はできませんでした。　今シーズン、1年間、私を支えてくれたチームと応援してくれた皆さんに感謝いたします」

赤旗中断、周回数の変更と波乱の展開となった最終戦。チャントラは19位で終えた

小椋藍（IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより）
「Moto2デビューシーズンの最終戦を欠場しなくてはならないことに、とてもがっかりしています。先週のポルティマオ（第17戦アルガルベGP）のレースで転倒した後、医師の検査を受け、左足に軽度の骨折があることが判りました。医師達は慎重になり、手術につながる可能性のあるリスクを避けるようにアドバイスをくれました。残念ですが、今は来シーズンに向けて、完璧なコンディションに戻すための時だと理解し、今回は欠場を決めました。この1年、私を支えてくれたチームのスタッフ、また応援してくれた皆さんに感謝します」

負傷欠場となった小椋。今季は2022年につながるシーズンとなったはずだ

Moto3

國井は7列目20番グリッドから決勝レースに臨んだ。國井と決勝レースを欠場したアンディは今季をもってチームを離脱することが明らかになっており、國井にとっては同チームでの最後のレースとなった。

レース序盤、國井は18番手に浮上する。しかし10周目、22番手にポジションダウン。13周目には14コーナーで転倒を喫し、リタイアでレースを終えた。

Moto3クラス参戦2年目のシーズンを送った國井はベストリザルト8位（第10戦スティリアGP）のランキング25位、今季、Moto2からMoto3にクラスを変えて戦ったアンディはランキング29位でシーズンを締めくくっている。

國井勇輝（Honda Team Asiaプレスリリースより）
「今日は何も言うことはありません。この素晴らしいチームで戦う最後のレースを完走したかったです。この2年間、このチームで過ごせてとても幸せでした。たくさん悩み、苦しんだ時も、常に私を支えてくれました。チーム以上の存在です。家族、友人のようでした。この最高のスタッフ、メカニック、チームメイト達から、多くのことを学べ、共に過ごせたことを心から感謝します」

Moto3クラス参戦2年。國井にとっては思うような成績が残せなかった

アンディ・ファリド・イズディハール（Honda Team Asiaプレスリリースより）
「今週は、常にトップ15位以内で戦えるぐらい、とても素晴らしいフィーリングでした。良いレースができると思っていただけに、フリー走行3回目での転倒にはすごくがっかりしています。レースの欠場は残念でなりませんが、あきらめず前を向いて進みます」