MotoGP第14戦バレンシアGP／小椋 藍、8位フィニッシュでMoto3クラスのランキング2番手を維持

2020年シーズンのMotoGPも残すところあと2戦。小椋 藍（Honda Team Asia）は前戦ヨーロッパGPで5戦ぶりの表彰台となる3位を獲得。チャンピオンシップでトップから3ポイント差のランキング2番手につけ、バレンシアGPを迎えた。

予選では7番グリッドを獲得し、小椋は3列目、チームメイトの國井勇輝（Honda Team Asia）は12番グリッドを獲得し、4列目からスタート。

小椋は序盤にやや後退し、9番手付近を走行。2周目、5コーナーで2番手を走る鳥羽海渡（Red Bull KTM Ajo）が転倒を喫し、転倒した鳥羽のバイクに乗り上げる形で鈴木竜生（SIC58 Squadra Corse）もクラッシュ。小椋はこのアクシデントを回避したが、その後、11番手にポジションを落とす。一方、國井は1周目から大きくポジションダウン。1周目には14番手、3周目には18番手に後退した。

こうしたなか、トップを走るラウル・フェルナンデス（Red Bull KTM Ajo）が次第に2番手以下を引き離し始めた。やや離れて2番手集団をトニー・アルボリーノ（Rivacold Snipers Team）が率い、小椋とタイトル争いを展開するアルベルト・アレナス（Gaviota Aspar Team Moto3）は4番手付近を走行。小椋はこの集団の最後尾付近、9番手で周回を重ねる。

やがて、2番手集団から、小椋、ハウメ・マシア（Leopard Racing）、アンドレア・ミーニョ（SKY Racing Team VR46）の3人が遅れ始める。小椋はマシア、ミーニョとワンパックとなって、ポジション争いを展開することになった。

レース終盤、アルボリーノがフェルナンデスをかわしてトップに立つ。アレナスは表彰台争いからやや遅れ、依然として4番手。小椋はマシア、ミーニョと三つどもえのポジション争いを繰り広げる。小椋は最終ラップにこの集団の最上位である7番手につけ、最終コーナーを立ち上る。しかし、小椋の背後にぴたりとつけたミーニョがスリップストリームによりフィニッシュライン直前、わずかに小椋の前に出た。

小椋は惜しくも8位フィニッシュ。7位とは0.016秒差だった。ランキング2番手を維持したが、アレナスが4位でフィニッシュしたことで、ポイント差は8となった。小椋は最終戦ポルトガルGPで、Moto3クラスのチャンピオン獲得に挑む。

國井は17番手付近で周回を重ね、最終的に18位フィニッシュ。

小椋はこのレース後に、2021年シーズンはイデミツ・ホンダ・チーム・アジアからMoto2に昇格することが決定した。

小椋 藍 （Honda Team Asiaプレスリリースより）
「タフなレースでした。ただ、一般論として、今週末は上手く過ごせたと思います。我々にとって、このバレンシアを速く走れたことは大きな改善です。今日は凄く風が強く、そのコンディションに私のライディングスタイルを上手く適応させることに苦労してしまいました。悩ましい１日でした。でも、パフォーマンスはとても良かったと思います。次戦は最終戦です。しっかり走ってレースを楽しめればと思います」

國井勇輝 （Honda Team Asiaプレスリリースより）
「また、ポイント獲得圏近くでレースを終えてしまいました。今回は、12位という順位からのスタートとなりました。しかし、レースが始まり数周過ぎた頃、何かが起こり、タイヤのグリップに問題が発生しました。自信を無くしてしまい、ポジションを落としてしまいました。私自身のライディングポジションを変更したりして解決を試みましたが、出来ませんでした。この週末、すごくポジティブに速く走れ、直接（予選）Q2に進める程でしたので、とても残念です。レースで結果を残せませんでしたが、何も変えることが出来ません。次戦のポルティマオに集中します」

続いて行われたMoto2クラスの決勝レースでは、ソムキアット・チャントラ（IDEMITSU Honda Team Asia）が25番グリッド、アンディ・ファリド・イズディハール（IDEMITSU Honda Team Asia）が27番グリッドからのスタート。

チャントラは1周目で23番手に浮上。最終的に18位でフィニッシュを果たした。アンディは9周目に12コーナーで転倒を喫し、リタイアでレースを終えた。

ソムキアット・チャントラ （IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより）
「まず最初に私のチームの皆に感謝したいです。朝のウォームアップで転倒してしまい、バイクを壊してしまいましたが、レースに間に合うように懸命に修復してくれ、最高のバイクで私をコースに送り出してくれました。しかし、転倒してしまったターン1で自信を無くして、そのセクターでタイムをロスしてしまいました。でも、他のセクターでは優勝したライダーと同じぐらいのタイムで走れていました。この結果にはまったく満足していませんが、後悔もしていません。気持ちを最終戦ポルティマオに切り替え、全力で頑張ります」

アンディ・ファリド・イズディハール （IDEMITSU Honda Team Asiaプレスリリースより）
「今朝のウォームアップで、いくつかのセッティングを試し、ポジティブなポイントを見つけました。それはレースに向けて私に自信を与えてくれました。しかし、レースのスタート後、先週と同じミスを犯してしまい、集団を捉えるのが難しくなってしまいました。その後、順位を回復すべく、あきらめずにプッシュし続けました。しかし、ターン12でフロントタイヤが滑り、転倒してしまいました。残念ですが気持ちを切り替え、ポルティマオのレースに集中します」