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Fブレーキの握りやすい位置が怖さの元凶!?【ライドナレッジ073】

Photos:
microgen,藤原 らんか

レバーが近いほど、急に効いたり前のめりの怖い思いをすることに

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体力測定で握力計を握ったことがあれば覚えていると思う。第3関節から第4関節も曲がりかかる握れるカタチが手に馴染みやすいが、この位置だと意外なほどチカラが入れにくい。第2関節と第3関節の指の腹でレバーを引く”遠め”のほうが入力も強く、強弱の操作もしやすいのを気づいてないライダーがほとんど

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前のめりが怖いから丁寧にそうっとかけているのに、結局はキュンッとつんのめってしまう……この原因は握りやすいレバー位置で操作するからだ

フロントブレーキが怖くてかけられない……ビギナーあるあるだが、そこそこキャリアを積んだライダーでもスポーツバイクだと強烈に効いてしまうので、おそるおそるブレーキレバーを操作しがちだったりする。
そんな方々にお奨めなのが、ブレーキレバーの効きはじめる位置を遠くに設定する調整。
皆さんは体力測定で使った握力計を覚えていると思う。4本の指がやっとかかるくらいレバー位置が遠くにしてあったりで、何ともチカラが入れにくかったのではないだろうか。
ところがコレ、握りやすいと思える近い位置へアジャストすると、何と全然チカラが入らないのがわかる。
つまり指の曲がりが握りやすくても、その位置では入力操作がガツンと握ってしまうか、まるで操作してないのと同じくらい入力できてないかのどっちかという、極端な操作になってしまうのだ。

遠い位置からレバーを引くと、スムーズで前のめりせず意外なほど効く!

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実はどんなに丁寧に操作しても、指が握る位置まで曲がってしまうと、ブレーキレバーが実際にマスターシリンダーの油圧ピストンを押すまでの”遊び”ストロークから一気に圧力が加わるため、いきなりの入力でフロントフォークにショックを与えてしまうのだ。
レバー位置が遠ければ”遊び”のストロークもほとんどなく、ジワッと入力を徐々に強めるデリケートな操作がしやすい。
しかも、これが大事なのだが、マスターシリンダーの油圧ピストンは入力の強弱でストロークするほど動かず、ほぼ同じ位置で単に圧力が変わるだけの入力調整になっているはず。
この操作はショックも生じず、僅かな入力差で制動力の強弱をコントロールできるという、誰にとっても操作しやすい状態が意識せずとも可能になる。
試しにこの遠いレバー位置で、油圧ピストンへ入力したままレバーを外側へ引くチカラを加えてみよう。そのほぼストロークしてない範囲でも、どこから油圧ピストンへの入力がはじまる位置なのか、レバー操作する指がそのちょっとした違いも感じとれるのがわかるはず。
遠い位置で第1関節と第2関節の指の腹がブレーキレバーに引っ掛かる、何ともチカラが入れにくいこの状態が、実はデリケートな操作に向いていて、しかも握る入力より強力な制動力が得られるのだ。
その結果、フロントフォークが勢いよく前のめりせずに済むため、フォークが奥まで沈むほど路面追従性が損なわれるのを未然に防ぎ、僅かな入力でもこの路面追従性の差で制動距離が縮まるという、キツネにつままれたような差を実感できる。
遠いレバー位置、どうにも入力が弱そうで不安にかられるかも知れないが、他の交通のない安全な場所でぜひ試してみよう。フロントタイヤが太くなったような安定感で、スッと停車するのがわかれば大成功!
まだ前のめりしている感じがあれば、レバーを上から押し付ける感じで手前に引き込む操作をすれば、ショックのない入力の強め方になる。ぜひお試しを!

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できるかぎり手の外側を支点に操作。つい親指のつけ根を支点にしがちだが、これだとレバー操作する指と挟むカタチになるため、入力の強弱コントロールはほぼできない。操作して比較すれば誰でもわかる