リヤブレーキを軽くかけたままジワッと加速
たとえば低速で隊列を組んで、前車との距離を保たなければならないとき、スロットル操作だけではギクシャクしがち。そんなときリヤブレーキを軽くかけたままスロットルを開け閉めすると、チェーンやシャフト駆動のバックラッシュ(チェーンやギヤの遊び)がキャンセルされ、スムーズに徐行できたりする。
実はこのリヤブレーキを使うと「カドのとれたスムーズさ」が得られるため、他の神経質なシーンでも安心と乗りやすさを手に入れることができるのだ。
かけるとリヤがちょっと沈む特性を利用する
リヤブレーキは、回転している後輪に制動をかけるので反作用としてスイングアームを上に押し上げるチカラが働く。もしくは低速でもリヤサスの動きを抑える効力も作用する。
普段は路面追従性や様々な運動性を妨げない要素として、サスペンションは抵抗なく動いてくれるほうが良いのだが、シチュエーションによってはこの後輪を押さえ込む効果が功を奏したりする。
たとえばアップダウンが続く山の中で小さなコーナーが連続すると、フロントブレーキをかけてリリースでリーンのタイミングをつくるタイミングや距離が不足する。
そこでフロントではなくリヤブレーキだけをジワッとかけ、放しながらリーンすると向き変えができるのと、そこが上りのヘアピンならスロットルも少し開けたまま同時に操作すれば、ギクシャクせずに曲がりながらスムーズにゆっくり加速へ移行できる。
このリヤブレーキをちょっとかけると、車体が一瞬きっかけづくりに向いたストップモーションをするので、あまり加減速しない緩やかなS字カーブが連続するシーンや、直線から120°くらい浅く曲がった入り口でも、タイミングよく使うと身体の重心移動ナシのイージーライディングも可能だ。
ただあまり頻繁にリヤブレーキを強くかけたり、少し踏んだままが長く続くと、元々高熱に晒される前提ではないため、ブレーキパッドが焼けて全く効かなくなったり、ブレーキオイルが沸騰して何も反応しなくなったりするのでほどほどにしておくのもお忘れなく。