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顔の向きを変える位置は?【ライドナレッジ151】

Photos:
藤原 らんか,Shutterstock(David San Segundo)

リーンのタイミングから少しズラすと効果が高まる

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カーブを曲がるとき、顔を出口のほうへ向けると曲がりやすい……。
そんなアドバイスをされたことがあるかも知れない。

ライディングしている姿勢で、正面を向いた状態から曲がっていく先のほうへ顔を向けると、自然と両肩が開いて行きたい方向へ上半身が向きやすくなり、旋回に都合の良いフォームになるからだ。

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明確にわかるのが左折など小さなターンをするとき。
不慣れで小さく曲がれず大回りしがちなライダーは、ターンインするとき思いきり顔の向きを変えるとスンナリ曲がれてしまうのに気づくはず。

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ただこれも顔を動かすタイミングを間違えると、期待した効果がまるでない状態に陥りやすい。
コツは曲がろうと車体を傾けた後、ほんのひと呼吸ズラしてから顔を動かすと、グーンと曲がりはじめる。
どのくらいのズレが良いのか、速度や曲がる角度でも変わるので、意識して色々試して自分と愛車との関係構築をしておこう。

カーブで道幅の真ん中は走れない

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ところでカーブを走るとき、センターラインばかり見たり、アウト側の道路の縁ばかり見たりしていないだろうか。
理屈では道幅の真ん中を走っていれば、曲がりきれなくて慌てるリスクは減りそうに思える。

しかしセンターラインも、道路の縁も、刻一刻と曲がり方が変化している。
これに逐一合わせて走るなど、できるワケがない。
なぜならバイクはクルマのようにカーブの曲率に合わせてハンドルを切ったりする操作ができないからだ。

つまり、いったん旋回をはじめてしまうと、途中でバンク角を深くしても曲がり方が強まる効果は僅かでしかない。
実はリーンをはじめたそのときが「向き変え」というほど角度がついて進路が変わる、唯一のチャンスなのだ。

ブレーキのリリースを利用すると簡単で効果大!

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そこで先の見えにくい右カーブを例に説明してみよう。
ブラインドの右コーナーが入り口でやや緩めに見えたら、すぐにリーンせず(対向車がセンターラインを割ってこないのを確認しつつ)少し奥のほうまで浅いバンク角で進み、先が見えてきた地点で軽くブレーキかけ車体が起き上がり気味になった状態で、ここぞという曲がりたい地点でブレーキをリリースしてリーン状態へ持ち込むと「くの字」進行方向を転じる「向き変え」が容易くできる。

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このブレーキのリリースでカクッと「くの字」に向き変えする操り方は、実はそれほど難しくない。
道幅の広い前後に車輌がいない状態で、僅か10°くらい車体を傾けてフロントブレーキをジワッとかけてみよう。
するとキャスター/トレールの前輪アライメントの反力で、バイクがクッと直立しようとするはずだ。
感じにくかったら、操作した瞬間に身体が動かないようやや硬直させておくと伝わってくる。

これが確認できたら、今度は同じようにブレーキをジワッとかけるとき、お尻のほっぺ片方だけに体重を集中させるのを同時にやっておく。
重心は左右どちらかに偏った状態のはずだが、ブレーキ反力で車体は傾きにくい。
この状態をつくったらブレーキをスッとリリース(解放→緩める)してみよう。
ここで反力がキャンセルされるので、車体は身体で捻ったりしなくてもサクッと傾きはじめる。

まさにスイッチのように、ここぞというピンポイントの地点で方向転換をはじめる、実に操作しやすくマージンが大きいためリスクの少ないライディングが可能というわけだ。

これを応用すると、いわゆる複合コーナーの、ブラインドの先で何度もきつくなったり、リスキーな変化をする状態でも、曲がるポイントの手前で軽くブレーキをかけ、ちょっと車体を起し気味にしてからリリースで「向き変え」をする走り方を、その都度くり返していけば膨らんで曲がりきれなくなることもない。

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そしてこのリリースの直後に、顔の向きもスッと変えてやるとさらに確実に曲がれる。
顔の向きは効果大だが、アクションのタイミング次第ということも忘れないことだ。