A.バイクも「健康管理」しないと調子が悪くなるからです。
いまどきのバイクはかなり丈夫。だから転倒して壊したりしなければ、とくにメンテナンス(点検や整備)をしなくても、いきなり動かなくなることは滅多に無い。……けれど“動いている”のと“快調に動いている”のは別モノ。これは人間に当てはめるとわかりやすい。
たとえば暴飲暴食したり、睡眠不足など不摂生な生活を続ければ、具合が悪くなって当たり前。そして「なんとなくダルいな……」くらいにしか感じなくても、じつは生活習慣病にかかっていた、ということも少なくない。これが“ノーメンテナンス”の状態だ。
対して、日頃から規則正しい生活を送って適度に運動すれば、健康な身体を維持できるだろう。そんな「健康管理」が、バイクでいうところのメンテナンスだ。
とはいえ「メカが苦手で……」とか「工具を持っていないし……」という方もいるだろう。しかしこれも自分の身体と同じで、実際に病気になったりケガをしたら自分で治療したり手術はできないから病院に行ってお医者さんに診てもらうはず。それがバイクの故障なら、バイクショップに直してもらえば良いわけで、ライダーが行うのは「バイクショップに行く」という判断。これこそがバイクにおける「健康管理」だ。
バイクは徐々に劣化する!
ところがここで問題が。じつは相応に調子が悪いのに、それに気づかないことも多いのだ(気づかなければバイクショップに診てもらおうと思わない)。その理由は、バイク各部(とくに消耗品)は、ゆっくり徐々に劣化していくからだ。
たとえばタイヤの空気は、クギが刺さったりパンクしていなくても徐々に抜けていくものだが、だからと言って1日で空気圧が半分に減ってしまうわけではない。タイヤの摩耗だって一気に数千キロも走ればともかく、日常的な乗り方なら半年~数年かかって溝が無くなる(スリップサインが出る)だろう。これはチェーンの伸びやエンジンオイルの汚れも同様だ。
このように徐々に劣化が進むと、ライダーは乗り味の変化に慣れてしまう。これは人間の“順応性の高さ”ともいえるが、結果としてかなり調子が悪くなっているにも関わらず、不調に気づくことができない→バイクショップに行かない(整備や修理が遅れる)→さらに状態が悪くなる(修理コストも増大!)という悪循環に陥る可能性大。もちろん本来の性能や乗り味も大幅に損なわれるから、走る楽しさも半減。これではもったいない。
というわけで話は最初に戻り、調子の悪さを感じてからではなく、日常的にメンテナンスすることが『愛車の健康維持』に大切なのだ。
タイヤはいきなり減るのでなく、走る度に少しずつ減っていく。空気圧、チェーンの伸び、グリスの劣化なども一緒だ。だから劣化や変化に気がつきにくいが、放置するのはナンセンス。きちんと各部の健康管理を心がけよう!
このコーナーでは愛車の健康管理であるメンテナンスのコツや重要性を、楽しく分かりやすくお届けしていくのでお楽しみに!