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このバイクに注目
KAWASAKI
750SS MACH IV
1972~1975model

2スト3気筒の暴れ馬500マッハIIIを安心できる750マッハIVへスケールアップ!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

世界を震撼させたウイリーマシンのマッハが排気量アップでジェントルなスポーツへ変身!!

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カワサキは輸出先のアメリカへ、半ば殴り込みをかける勢いで1966年に先行していた日本製250ccの性能をすべて上回るA1サムライ、次いでボアアップした338ccA7 アベンジャーがさらにハイパフォーマンスなイメージでファンに揺さぶりをかけ、1969年にとてつもないレベルの最速マシンの500cc3気筒マッハIIIをリリースした。

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それはトップスピード200km/h、0-400mを12秒で駆け抜ける、スタートダッシュで前輪が高々と宙に浮く超速モンスターマシンだった。
しかも前輪荷重の不足で、高速では車体がグラグラ揺れるウォブル現象となり、怖いもの知らずの鉄の魂が必要といわれるほど。
ただカワサキは常識破りのメーカーというイメージが定着し、1972年に初の4ストDOHC4気筒で900ccのZ1誕生までブランドイメージを繋いでいた

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しかし世界はホンダのCB750フォアで、高速でも安定して走れるフラッグシップの価値観が広まり、カワサキ自身もCB750を上回る高速性能と優れたハンドリングの評価を得ると、マッハIIIの存在価値が問われることになった。
ところが価格がフラッグシップより遥かに安価なであったり、それにエネルギッシュで過激なマシンを望むがは少なくないことから、カワサキは2ストローク3気筒を熟成することを決定したのだ。
マッハIIIの型式名H1の60mm×58.8mmの499ccを、71mm×63mmの748ccへ拡大、60PS/7,500rpm、5.8kgm/7,000rpmを74PS/6,800rpm、7.9kgm/6,500rpmへとパワーもトルクもワイドで逞しいチューンとし、フレームもレース経験などから安定性も高い強靭なダブルクレードルで、型式名をH2としたマッハIVは安定性も高く乗りやすいハンドリングへと変貌を遂げたのだった。 ただ海外向けではマッハIVと呼ばれたが、国内向けにはマッハIIIの750と呼び方が違っていた。

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また500マッハIIIで苦労をしてきたノウハウから、エンジンの耐久性や始動性なども大幅に改善、初めての2スト3気筒が120°位相で組み立てたクランクが位置決めピンが切れてしまったり、オイルを大量に送り込むことから点火プラグがカブったりするなどのトラブルはすべて解消、相変わらず安価な価格帯であることから人気となり、世界中でファンを増やしていったのだ。
さらにカワサキでは2スト3気筒シリーズとして250cc、350cc(後に400cc)、そして500ccをラインナップ。
他のメーカーにはないキャラクターとして、女性からベテランまで幅広い層に受け容れられるシリーズとして世界で定着していったのだ。

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2スト3気筒の120°間隔で爆発する、高周波と低周波が混ざった独得のサウンドと、機械的な角のない柔らかい振動が織り成す他にはない感性に、いまもハマるライダーが少なくない。
無茶を承知で開発を断行、何とかモノにするカワサキのアグレッシブで個性を大事にする姿勢を含め、ここまで濃いバイクは滅多にないだろう。
いまだにレストアして乗ろうとするライダーが後を絶たず、これからも希少なヒストリーバイクとして目にすることができるはずだ。