4気筒Z1の次は6気筒の目論みに見切りをつけ、
コンパクトでアグレッシブな900に再挑戦!
車名:1984年 A1
NinjaロゴのUS(北米)仕様はハンドルやリヤフェンダーが異なる



大成功を収めた1972年のZ1は、1976年にはZ1000へと進化し、1981年にはZ1100GPへと空冷を維持していた。
しかし同じ頃、ライバルはV型エンジンや4バルブ化、さらにはターボチャージャーとパワフルさに拍車をかける真っ只中。
カワサキもZ1で得た頂点の座を守るべく、新たなエンジン開発に取り組んでいた。
1980年9月に下された新規開発の決定は空冷6気筒。シックスならではのウルトラスムーズなパワーフィーリングに、開発陣はZ1を凌ぐ衝撃には当らないと開発に見切りをつけた。
そこでコンセプトを根底から見直した結果、ライバルの1,000cc化に敢えて900で挑み、エンジンにバランサーをつけてフレームとのラバーマウント化を避けた剛性メンバーとして思いきりコンパクトな構成を決定。
そのためカムチェーントンネルを4気筒の中央に置かす左端のサイドカムチェーンを量産4気筒で初採用、そうなるほど高まる熱量に最後発となった水冷化で開発は急ピッチで進められた。
水冷4気筒は左にカムチェーントンネルで右には何もない


左端にカムチェーンのおかげで4つの軸受けは等間隔と強靭かつコンパクト

デザインもCD値0.33の驚異的な空力特性を得ながら、当然のフルカウルで進行していたが、カワサキの個性を重んじる考えからサイドカムチェーンが「左右非対称のカッコ悪さ」に見えるかも知れないネガティブ要素を、反対の武器にしようと両側面を切り欠いてエンジンを見せるNinja人気を決定づけた大英断も下された。
1983年のパリサロンでデビュー。続く12月にアメリカのラグナセカ・スピードウェイでワールドプレス発表、900ccながら115PSで250km/hのトップスピードと0-400mを10.976秒のパフォーマンスは世界の注目を集めていた。
エンジンはバランサーで振動を抑え、リジットマウントで剛性メンバーに利用する高張力鋼管ダイアモンドフレーム(シートレールはアルミ)とコンパクトでマスの集中化をはかる


世界最速となり対米モデルのペットネームNinjaの名も世界を駆け巡った新たなフラッグシップは、さらに全メーカーで先鋭化するパフォーマンスの流れから、1990年には前輪16インチを新世代の標準17インチ化などサイズ変更や足回りを刷新、1999年にラジアルタイヤ化やブレーキ強化にガス封入式ショックアブソーバーへと潮流に合わせた変更もうけたが、根強い人気に支えられエンジンや車体に外観という基本は全く変えずに生き存えていた。
その歴史を辿る今回、前輪が17インチ化されるまでのA1~A5までを網羅した。
車名:1985年 A2
仕向け地が彩りと共に増えコークバリントン選手出身の南ア向けにはライムグリーンも




車名:1986年 A3
弟分のGPZ600R/400Rと共通のカラーリングが加わる


車名:1987年 A4
ブルー×シルバーが主流で新たに赤×シルバーも

車名:1988年 A5
渋く落ち着いたダーク調で派手にも見える人気のグラフィック

車名:1989年 A6
このカラーとブルー×シルバーがベーシックに人気

こうして20年の歴史に幕を閉じるまで、累計で80,000台以上が生産される歴史に残る名車だった。





