2013年の東京モーターショーにインタークラーターボをリリース!
スズキは2013年11月、第43回東京モーターショーでリカージョン(繰り返す、ループするという意味)と名付けた新しいコンセプトバイクを公開。
注目されたのはエンジンで、インタークーラーターボ付き588cc並列2気筒を搭載していた。
スズキは既に30年前の1983年初頭、XN85と呼ばれた最初のターボチャージャー付きバイクを発売していた。
当時はホンダやヤマハも、クルマでブームだったターボチャージャーのバイクにチャレンジ、しかし実際に発売したスズキも含め、人気が出ないまま短命に終わっている。
スロットル・レスポンスに時間がかかる、ターボチャージャーの特性がバイクとの相性が良くなかったのが最大のネック。
以来、スポーツバイクでターボチャージャーの名を聞くことはなかった。
低回転域3,500rpmで最大トルクのコンパクトな力強さ
しかしクルマの世界では、ターボチャージャーが絶対的なパフォーマンス目的ではなく、「ダウンサイジング」として流行りだしたこともあって、スズキではこのコンセプトをバイクにも活かそうということになった。
リースされたコメントには、リカージョンは大排気量バイクの走行性能と、中排気量バイクの扱いやすさや経済性をバランスさせながら、バイクへの愛着を形にしたスタイリングにしたとあった。
キーワードは「扱いやすさ」「トルク感」「経済性」「爽快感」という。
スズキには軽量ターボエンジンで100psを達成するという目標があり、 ショーモデルとしての魅力と実用性を考慮して、排気量を588ccの2気筒に設定、同じ馬力を発生するリッターバイクと比較すると燃費が約50%向上するとアピールしていた。
発表されたスペックは、8,000 rpm で 100 ps (74 kW) を発揮、4,500 rpm で 100 Nm (74 lb-ft) という驚異的なトルクを、幅広い回転域で得られるという。
このトルクはまさに大型のバイクのスペックで、600ccクラスのパッケージではもちろん前例がない。
アルミツインスパータイプのメインフレーム、片持ちアルミ製スイングアーム、カーボン製モノコックリヤフレームにより軽量・コンパクトなボディを実現。
ホイールベースは1,450mmと短かく設定、 燃料タンクはアルミ製で、車体の乾燥重量はわずか 174 kgと軽量化されていた。
フロントカウルからタンクには、たたき出しのアルミ材、ラジエーターサイドカバーには独特な表面紋様のダマスカス鋼を採用、使用する部材の質感そのものを楽しめるデザインを提案するなど、操る楽しさと趣味性を両立した近未来のバイクライフのパッケージとリリースされていた。