A.自分が思っているよりもひとつ高めのギヤを選択しましょう
ワインディングで、スイスイと駆け抜けていくライダーをよく見ますが、
そんなライダーたちが何速で走っているのか、わかりません。
ギヤの選択を迷ってギクシャクしたりしてしまうのですが
カーブは何速で走るべきなのか教えて下さい。
ワインディングは、山の中にありますよね。ということは、基本的にはカーブは先の見通せない、ブラインドコーナーばかりということになります。
つまり、前方に見えるコーナーが緩いカーブなのか、ヘアピンカーブなのかなど分かりにくいので、安全を考えれば十分に減速して備えるということになります。とはいえ、いざカーブに進入して想像していたよりも緩いカーブでもう少し気持ち良いスピードで駆け抜けられただろうなと不完全燃焼な気分になることもあります。
しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、ワインディングは一般公道であるということ。対向車がセンターラインをはみ出してくることもあります。ブラインドコーナーの先では、工事をしているかもしれません。
自分のバイクの限界や、スピードを愉しみたいのであれば、RIDE HIの主催するバイクギャザリングを含めた各走行会など、サーキットでの走行を考えましょう。
そして、本題のコーナーの入口で何速にするべきかという話ですが、前方にカーブが見えてきたらまずそのカーブがどのくらい曲がっているのかを予測しましょう。90度よりもキツく曲がっているのであれば、手前で4〜3速までシフトダウンしましょう。また、120度以上の緩いカーブであれば、5速にしましょう。
大雑把な言い方に聞こえるかもしれませんが、これで基本的に外れることはありません。
もちろん、エンジンの回転数は4,000rpmかそれ以下の低い回転域を前提としています。そして、コーナーの入り口では力を抜いたフォームでマシンの挙動を妨げないことも重要です。
慣れてきたら、シフトダウンをカーブの入口付近まで少しずつ遅らせながら、近づいてきたカーブの角度をより正確に判断するようにしましょう。カーブに近づくにつれて、手前の視界を妨げていた山肌の、向こう側に隠れていた道路の見える範囲が広くなります。思っていたよりもきつい角度だったり、緩い角度だったりと情報量が増えてきます。それが判別できたら、かけているブレーキの強弱で進入速度の調整をします。こうすることで、カーブ進入時の危険なオーバースピードを防いだり、過剰な減速によるストレスの残るコーナリングにならずに済むという状況にできます。
さらに慣れてくると、ビッグバイクのように低中速トルクが十分なバイクでは、3速だったところを4速、4速だったのは5速と一つ高いギヤで進入して無理のないスムーズなコーナリングと、気持ちの良い立ち上がりのトラクションを感じながらのコーナリングという醍醐味も味わえることになるはずです。
もちろん深いバンク角を望んだり、ブレーキングで突っ込んでいくなどの一般公道でのご法度な領域に入らないよう、常識的な範疇で楽しむことを忘れないでください。最新のバイクは安定性も高く、チャレンジングな気持ちに陥りがちですが、もっといけると思わせるポテンシャルを試すのはサーキットなどのクローズドでルールを守って試すのが大人のバイクの愉しみ方です。
心地よい満足感は、カーブを攻略していくこと、そしてそこにリスクを感じない範囲を守っていけたか否か、それがツーリングで楽しむワインディングの走り方の基本です。
ワインディングのカーブは、角度によってギヤを選んでみよう