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カーブでセンターラインと道幅に気をとられるひと必見!?【ライドナレッジ107】

Photos:
藤原 らんか

実はセンターラインや道幅に沿った走りは、
プロでもできない至難のワザ!

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キャリアが浅い、もしくはリターンでまだ感覚が戻ってないライダーは、カーブがまだまだ不安でいっぱい……。コーナー手前で減速するとか、そんな勢いのあるライディングなど怖くてそれどころじゃない。
と思いがちなライダーにまず知ってもらいたいのが、センターラインや道幅ばかり気にして走る呪縛から逃れること。

慣れないと走ってるバイクのすぐ前ばかり見がちになる。
そしてカーブだと気になるのがセンターラインで、曲がり方がどうなっているのか、そして曲がりきれないと困るので道幅の真ん中にいるか否かを確認したくなる。

でもこうやって走ると、カーブの曲がり方に必ず遅れを生じる筈。
ちょっとアウト側へ寄りすぎたり、センターラインへ近づきすぎたり……
これって当たり前のことで、まずセンターラインがわかりやすく一定の曲率で弧を描くカンタンなものじゃないこと、そして道幅の真ん中をキープするなどプロでも瞬間に曲がる角度を変えたりできないのでムリに決まってる。

カーブに入ってから曲がりはじめる、
そのために道幅を少しだけ利用する!

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よくサーキットでは、カーブの入り口でアウト側に寄っておき、コーナーの真ん中でイン側へ近づき、出口でアウト側へ向かう「アウトインアウト」が、カーブの曲率より大きな弧を描くので、速く駆け抜けるには最も効率が高いと説明されている。

しかし一般公道ではアウト側いっぱいまで膨らむ走行ラインなど、リスクが高くハッキリ言って危険なだけ。
ワインディングではカーブがはじまる入り口で少しイン側に寄っておき、もうちょっと走った曲がっている部分、アウト側は砂とかでリスキーなので中央よりちょっとだけ外側の地点で曲がりはじめる。

このときのコツは浅いバンク角で曲がれるフォーム(教えてネモケン121)とかを参考にして欲しいが、まだまだそれどころじゃないと思うなら、ニーグリップをした外側の膝頭で燃料タンクを外から内側へちょっとだけプッシュしてみよう。
とりあえずバイクの進行方向が20°くらいは変わるはず。そしてそのまま進んでカーブが終われば問題ないが、まだ曲がっていたらイン側から少し離れた地点でまたニーグリップをした外側の膝頭で燃料タンクを外から内側へちょっとだけプッシュをまたやってみる。

このように車体を傾けようとしないで、カクッカクッといわば多角形に曲がるポイントをつくりながら走り抜けるのだ。
何やらとても変則的に思えるかも知れないが、このカクッとするポイントをつくる走りこそ、プロにも通ずるリスクなく曲がれる基本のキの字と当る走り方。いまから覚えていくと、先々余計な遠回りをせずに自信をつけられるのでお奨めの操縦法でもある。

基本は先の見えないブラインドカーブ、
それでも入り口の角度で予想をする習慣を!

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そして次に意識したいのが、先のほうにカーブが見えてきたときに、ある程度どんなカーブなのかを予想するクセをつけること。
遠くに見えた段階でも、最初に曲がっている角度、アウト側の曲がり方で、およそ120°のように浅い角度であまり減速とか気にしないで済むカーブなのか、90°くらいでそこそこ曲がっている、もしくはヘアピンのようにまわり込んでいるカーブなのかを見分けておくのだ。

そして忘れてならないのが、カーブは近づくにつれ奥のほうでどんな曲がり方なのかを見ることができるということ。
90°なのか、ヘアピンなのかも、カーブが近づけば必ず予想がつく。

この当たり前のことを、唯々カーブは曲がってみないと予知不能と思い込んでしまうビギナーがあまりに多い。
どう走るのかのテクニックは先々覚えるにしても、カーブはちょっとだけ先を確かめながら走れる余裕を持つ、そこを身につけておこう!