【Royal Enfield Classic 350】本モノの趣味性と躍動シングルへの期待が膨らむ、本格派トラディショナルスポーツ クラシック350がデビュー！

トラディショナルなスポーツバイクといえば、英国がお家芸なのはご存知の通り。ロンドンの黒いタクシーキャブや、赤い二階建てバスの街並みカルチャーの環境で育まれた感性に、ファッションをはじめお気に入りの個性を感じる人は多いはず。

その英国で1901年創業の最古のオートバイメーカーといえば、ロイヤルエンフィールド。現在は研究開発部門のR&Dセンターを残し、生産設備は14億人近い巨大マーケットが裾野のインドを拠点に世界へ輸出している。
そのロイヤルエンフィールドが昨年650ツインスポーツに続いてメテオ350で日本市場参入、いよいよ同社でもっともメジャーな機種であるクラシック350について、3月から発売とその価格を発表した。

ご覧のように、そのデザインはロイヤルエンフィールドの黄金期となった1940～50年代をベースとした、いかにもトラディショナルなスタイル。
じつは1949年、ロイヤルエンフィールドがアールズコートショーにデビューさせたバレット（Bullet）がインド軍で採用され、1955年から現地でCKD（全てを部品で輸出して組み立てる生産方式）をはじめたのがルーツ。その後250クルセーダーのデザインをベースに、現地で2009年にクラシックを発売、10年で300万台という成功を収めたという。

今回新発売となるクラシック350は、スタイルこそトラディショナルな雰囲気を踏襲するものの、エンジンから車体まですべてを刷新した完全な最新設計だ。
シングルの空冷350ccは排気ガス規制など、今後も対応できる電子制御のフューエルインジェクション仕様で開発、車体も乗りやすさと安定性の両立でホイールベースを延ばすなど、さらに完成度を求めて高い次元で設計されている。

最大の課題は、これら最新のテクノロジーを伝統的な美しさをスポイルせずにどうバランスさせていくかだった。確かにメーカーによってはセンサーなど剥き出しの後付け感となってしまう乱暴さにガッカリさせられるが、トラディショナルのデリケートさを経験として積んできたメーカーらしく、大事な「趣味性」を損なわない気遣いに満ちている。

日本で3月中旬からデリバリーが開始される予定のクラシック350には、４つのグレードが設定されそれぞれにカラーバリエーションが用意されている。

価格の順で紹介すると、もっともレトロクラシックな外観のハルシオンがグリーン、グレー、ブラックの3色で税込み（以下同）57万7,500円。
ミリタリーなマットペイントされたクラシックシグナルズは58万3,000円で、マーシュグレーとデザートサンドの２色。
唯一キャストホイールを履く都会的なカスタムを意識したクラシックダークが、ステルスブラックとガンメタグレーの２色で60万600円。
1950年代の英国製モーターサイクルならではの艶やかさを纏うのがクラシッククローム。クロームレッドとクロームブロンズの２色は、60万3,900円となっている。

写真は本国仕様のシングルシートだが、日本使用はタンデムシートを標準装着。しかも後席が独立したタイプで、後ろに乗る人はクッションもたっぷりとした快適性が嬉しいはずだ。
また豊富なアクセサリーパーツも、購入後の楽しみを拡げてくれるだろう。

同じエンジンを搭載したメテオ350は、ロングストロークの低回転域でもスムーズ且つスロットルを開けると逞しい強さのトルクが湧き出て、ダッシュすると腰から背中へグーンと加速Ｇがみなぎる快感が楽しめる、かなりスポーティなエンジン特性。それでいてアイドリングのままクラッチを繋いでも平坦な場所ならスルスルと発進しそうなほど、エンストのおそれがない扱いやすさが安心だ。

そしてタウンスピードはもとより、高速道路の速度域でもこのクラスでは異例といえる安定感で、ここでもグレードの高さを感じるだろう。
メーカーエンジニアが自らニュートラルなハンドリング、自由度のある操作のしやすさと身を任せられる安定性を開発の目標に掲げるほど、乗り味にはこだわりがある。 そして新車購入から自信に満ちた走行距離無制限の3年間保証も、輸入車である心配をかなり軽減してくれるのではないだろうか。