モダンクラシックでもスポーティに走りたい!
クラシックスタイルの印象が強いこのカテゴリーだが、トライアンフ の1,200ccバーチカルツインは驚くほど元気にレスポンスする

全長の長いサスペンションを採用したり、フレームの一部を軽量なアルミ製にするなどスポーティな走り目指して他のモダンクラシックシリーズとは異なる進化を見せるスピードツイン
海外メーカーは同じ形式のエンジンを大切に使い続けることが多いが、トライアンフといえばバーチカルツイン。実はこのエンジンのルーツは1937年に遡る。
1920年代、イギリスには500以上の二輪&四輪メーカーが存在した。イギリスに限った話ではないが、そういったメーカーのほとんどが時代と共に淘汰され現在に至る。では、トライアンフはなぜ生き残れたのだろう。
それは1937年に発表されたスピードツインの存在があったからに違いない。エドワード・ターナーが手がけた並列2気筒エンジン搭載車は、登場と同時にヨーロッパ全土で大ヒット。シングルが一般的だった時代に499ccのスポーツバイクは世界中に衝撃を与えた。
そのOHVのバーチカルツインエンジンは改良を重ねながら、タイガーやトロフィー、サンダーバード、ボンネビルといった現行車の車名にもなっているモデルに継承されていった。約50年の歳月を生き抜きトライアンフの黄金時代を支えていった。

1937〜 TRIUMPH SPEED TWIN 499cc/26bhp
ツインといえばツアラー(移動用)という時代にスポーティなテイストが与えられたスピードツイン。その後、熟成を繰り返しながら様々なモデルにバーチカルツインエンジンが搭載されていった
また面白いのはバーチカルツインエンジンを搭載したモデルは様々なレースで活躍。しかしその活動はインポーターやプライベーターに委ねられ、本社はほとんど関与していなかったというところ。レースに没頭してしまったばかりに業績が傾いたノートンやAJSなどとは対照的といえるのだ。
2020年もラインナップに残るスピードツインにはこんな背景があるのだ。
2019年に登場した現行スピードツインは、1200ccの水冷バーチカルツインを搭載。クラシックな佇まいだが、スポーティな足周りを装備し、モダンクラシックシリーズの中でもハンドリングを追求したモデルで、パワーモード切り替えやトラクションコントロールなど電子制御もフル装備。まさに走りのネオクラシックだ。

1,200ccのバーチカルツインエンジン。エンジンにフィンがあり、見た目はクラシックだが実は水冷。吸気もキャブレター風だが、もちろんインジェクション。前後タイヤは17インチだ

2020 TRIUMPH SPEED TWIN マフラー後端を跳ね上げてバンク角も確保。コーナー立ち上がりで1200ccのトラクションの良さを体感できる

1,200ccで97psを発揮するエンジンを制御するため、電子装備も搭載。パワーモードの切り替えやトラクションコントロールも装備。見た目はクラシックだが、スペックは現代版だ
SPEC
- Specifications
- TRIUMPH SPEED TWIN
- エンジン
- 水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
- 総排気量
- 1200cc
- ボア×ストローク
- 97.6×80mm
- 圧縮比
- 11対1
- 最高出力
- 97ps/6750rpm
- 最大トルク
- 112Nm/4950rpm
- 変速機
- 6速リターン
- フレーム
- ダブルクレードル
- 乾燥重量
- 196kg
- キャスター/トレール
- 22.8°/93.5mm
- サスペンション
- F=テレスコピックφ41mm正立
R=スイングアーム+2本ショック - ブレーキ
- F=φ305mmダブル R=φ220mm
- タイヤサイズ
- F=120/70ZR17 R=160/60ZR17
- 全幅/全高
- 760/1110(ミラー含まず)mm
- 軸間距離
- 1,430mm
- シート高
- 807mm
- 燃料タンク容量
- 14.5L
- 価格
- 164万5900円〜