手指が小さいと握れた状態がチカラを入れやすいと思いがち
フロントブレーキのレバーは、手指の小さい人ほど第二関節まで曲がった、かなりグリップに近いトコロまで引いた位置にないと、チカラが入れにくい、つまり強くかけられないと思い込んでいる場合が多い。
しかしチカラを入れやすいレバー位置はもっと遠くの、第一関節が曲がったくらいの筈。小学校や中学で、体力測定のとき握力計を握った人は覚えていると思う。
引くレバーが握りやすい近い位置だと意外なほどチカラが入れにくく、チカラを入れにくい筈の遠い位置のほうが強く握れる。
親指のつけ根を支点に指でレバーを挟む握り方もNG!
手指が小さいと、もうひとつ勘違いしやすいのが、握る動作で親指のつけ根を支点にしがちなこと。
普段から手指が小さいので手を大きく開いた状態から握ることが多く、この親指のつけ根がアテになる、つまり支点にして4本の指で両側から挟むように握ろうとしてしまうのだ。
これは入力の強さを調整しにくいという操作として決定的にNGな面がある。
試しに左の手でレバーを外に引きながら、ブレーキをかける入力をしてみよう。細かいチカラの入れ加減など、意外なほど調整が苦手なことに驚く筈。
そこで人差し指と中指の2本でレバーを引き、支点を親指にせず薬指と小指とでハンドルグリップを握って支点にする操作をしてみよう。
これで先ほどのレバーを外側へ引くのを試してみると、今度は細かい入力やリリースで緩める操作も調整しやすいのがわかる。
レバーを上から押え気味に滑り込ませるような操作を覚えよう
ということで、まずレバー位置は手指が小さいからとあまり手前に調整せず、第一関節が曲がったあたりから入力の強弱をするポジションに設定。
次にブレーキをかけるとき、2本の指でレバーを上から押し気味にして、手の甲ごとレバーを掴みにいくような動きで、手首をかえす感じでレバーを滑り込ませるように引く、この操作にまず慣れよう。
はじめは強くかけられない、そう思い込みがちだが、実はこの操作のほうが入力も強くできるし、細かな微調整ができるのでブレーキを丁寧にかけられるようになる。
さらに気づかないうちに、この操作でフロントフォークが一気に沈み込みにくい、ノーズダイブ、つまり前のめりになりにくい状態になっている筈。
それはフロントタイヤの路面追従性を高めるため、減速Gをあまり感じないのに制動距離が短くなるという、大きな大きなメリットが得られるのだ。
徐々に試しながら、この差がわかるまで繰り返し馴染んでいくよう、ぜひぜひお奨めしたい!