ride-knowledge_130_01_main.jpg
ピックアップ

曲がるとき外側ニーグリップをアテにすると確実安心!【ライドナレッジ130】

Photos:
藤原 らんか,ShutterStock(Erik Tanghe/stockphoto mania)

力まない柔軟な状態は大事なのと同時に、
カーブで必要になるバイクのホールドはアウト側下半身で!

ride-knowledge_130_01

腕や肩、それに背中や腰など、バイクに乗るときはリラックスして力まない状態でいることが大事。
ハンドルをちょっとだけでも押したり引いたりすると、バイクの旋回や進路変更に追従する前輪の役割を妨げ、曲がりにくくしてしまうからだ。

とはいえ、全身から力を抜いてしまうとリーンなどの操作はどこに入力して良いのやら……シビアに言えば体幹の僅かな重心移動だけが理想なのだが、路面からの揺れなど、どこかに掴まりたいときはどうしたら良いのか等々、わかりやすいコツはないものだろうか?

それには下半身のホールドが一番効果がある。言い換えればニーグリップを両方の膝でタンクを挟むのではなく、片方のアウト側の膝や太ももに脛から足首など、下半身で掴まるようにグリップするのだ。
これはスポーツバイクを操るときの基本でもあるので、常に意識して減速やリーンのタイミングに、下半身でグッと車体に掴まるクセをつけてしまおう。

ride-knowledge_130_02_01

まず曲がる手前の減速タイミングに、曲がろうとする先がキツかろうが緩かろうが、左に曲がっていたらアウト側になる右の下半身ホールド姿勢をとる。
ステップをちょっとだけ前に蹴る方向でジワッとチカラを入れ、同時に踝(くるぶし)を車体に押し付けるカタチにして足首をホールド。
同時に膝で太ももをジワッと後ろへ押すようにする。僅かでも力んでしまうと、脛(すね)や太ももの筋肉が緊張して燃料タンク側面やシート座面に接している面が減るのでNG。ベターッと広く接したままグリップした状態を保つのだ。

これで減速Gが強くても、腰がシートの上で前に滑るのを防げるし、路面の凸凹で揺れても下半身でしっかりとホールドできて、安定した状態が得られる。
外側でホールドできていれば、内側の太ももから膝に脛と足首まで、脚の全体をステップから浮かせて宙ぶらりんにできるくらい、アウト側でしっかり支えられるようにしておこう。
この下半身のアウト側ホールドで、リーンの動作やバンク角の調整が任意に動作したり止めたりが俄然やりやすくなるので、反射的にこの状態に入れるよう繰り返し意識する。

腰を落とすまで移動するのではなく、
お尻を半身だけイン側へズラす
それだけで下半身ホールドがしやすくなる

ride-knowledge_130_03

この下半身のホールド、お尻の位置を拳(こぶし)ひとつだけの僅かな移動で良いので、曲がりたい方向のイン側へちょっとズラすと姿勢がとりやすくなる。
ちょうど膝で太ももを後ろへ押すタイミングで、腰を浮かせなくてもスッとズレるだけで充分だ。

このアウト側をホールドした状態で、腰を捻ったりせずイン側の脇腹から脱力して重心を下げる動作、もしくはアウト側の膝で燃料タンクを内側へ軽く押す動作で、間髪入れずに浅いバンク角からでも曲がりはじめる。
どんなときも、こうして下半身でアウト側をホールドしていれば、ハンドル持つ両手や両肩から力を抜いた状態でいられるため、前輪のセルフステアを妨げないバランスの良い状態が維持できる。

左右どちらでも片側が必ずホールドした状態で

ride-knowledge_130_04

ツーリングで一定スピードのクルージングをしている状態でも、両方の膝が開いたりすると車体の揺れで上半身を含む身体全体が揺すられたりしやすい。
極端なように聞こえるかも知れないが、真っ直ぐ走っていようが、左右どちらか片側の下半身ホールドが軽くできているほうが、長時間のライディングでもシート座面でお尻が痛くなったりしにくい。
またこの姿勢だと両腕や両肩など上半身からチカラを抜いても、バイクをしっかり掴んでいるのを実感できるので、安心の度合いも深まる。
次回のツーリングから、この下半身ホールドを意識したライディングを試してみよう。深くバンクしなくても曲がれる感覚と、リーンで曲がりはじめるタイミングが遅れない安心ライディングに近づくはずだ。