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スポークホイールはメンテが必要【ライドメンテナンス016】

Photos:
DUCATI,ShutterSstock(kasarp studio)

美しいスポークホイールの佇まい

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バイクのホイールといえば、昔はスポークが当たり前。それがレースなど路面追従性を追求するために軽量化を目指した軽合金のキャストホイールが’70年代に登場、さらにラジアルタイヤなどロープロファイル(扁平)ワイド化とともに、安全性向上でチューブレス化で市販車も鋳造や鍛造のホイールが主流となり、スポークホイールはクラシカルな一部のモデルにしか使われなくなった。
36~40本のスポークで組まれたノスタルジックな美しさに、ワイドタイヤ用のチューブレス仕様でもスポークホイールが開発され、おそらく消滅することはないだろう。
ただこのスポークホイール、スポークをニップルという特殊なナットで締めて張力を与えた構造で、長時間を走行しているうちに衝撃吸収や振動などでどうしても緩んでくる。
ということで、たまにチェックして緩みがあれば増し締めする必要があるのだ。

放置すれば緩みも生じて増し締めが必要、作業はプロにまかせること

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たとえばクラシックバイクを購入したら、エンジンや車体のチェックはもちろん、このスポークホイールも点検しておく必要がある。
ドライバーなどでスポークをなぞるように軽く当てて一周まわしてみると、カンッカンッという張りのある音だけでなく、どこかで鈍い音が聞こえたらそのスポークは緩んでいる証拠。
いきなり破綻はしないが、放置しておくと緩みが次の緩みを誘発し、いつか全体に張りのない状態が及ぶと、最悪の場合スポークが破断してホイールロックとなる危険性も潜んでいるのだ。
そうでなくても、スポークを増し締めしてきた整備のレベルによっては、ホイールのリムが横へブレてしまっているケースも考えられる。走行すると何となく後輪が左右に振れる感じだったら、誰かに後ろから見てもらえば一目瞭然。センタースタンドがあれば、そこで後輪を手で空転させたり、前輪もフロントフォークを下から持ち上げて空転させてもチェックはできる。
ただこの増し締めはプロのメカニックにまかせるべき。
36~40本ものスポークニップルは、締め方を間違えると芯だしドコロか却ってブレが大きくなってしまう。
またリムのタイヤ側に顔を出したニップルはリムバンドやテープで覆われチューブに直接触れないようになっている筈だが、これも慎重さを欠くとパンクしたり思わぬ事故にもなりかねないからだ。
いまはチューブレス仕様のスポークホイールもあるので、リムと車軸側のハブとを結ぶ方式が昔からの引っ掛け式と少し違っている場合や、ホイール製造時にテンションをかけて組むニップルがないタイプもある。方式に従ってどんなメンテナンスが必要かも知っておこう。