READY TO RACE……!
KTMといえば、思い浮かぶのがそのスローガン「READY TO RACE」。日本語にしてみれば「レースの準備万端!」「そのままでレースに出られる!」といったところだろうか。スポーツライディングを楽しむための乗り物として、KTMのすべてのバイクはこのコンセプトにのっとって製造販売されている。
そんなKTMが独特なデザインと揺るぎないコンセプトで作り出したミドルクラスのファンバイクが890DUKE Rだ。通常この手のネイキッドのイメージ写真は、市街地を走っていたり、ワインディングを走っていたりすることが多いが、890DUKE Rはサーキットでヒジを擦っている過激っぷりなのだ。

クセになる軽量さとエンジンレスポンス
そのイメージ通り、890DUKE Rはスポーツ性に特化しており、例えるならアグレッシブなアスリート。
足周りには高い性能を持つブレンボ製のキャリパーやグループ企業のWP製サスペンションを使用している。
KTMのバイクにはじめて乗った人が驚くのがその軽量感。この890DUKE Rも乾燥重量166kgと他のミドルクラスバイクに比べてかなり軽く仕上がっている。そして、マスが集中しているため、重量以上に軽く感じる。重心が高いためバンクする時のスピードは速く、パタンと寝る。
このパラツインエンジンは、最高出力121hpとハイパワーではあるがストリート、スポーツ、トラックの3つのモードを選択することができ、ツーリングからサーキット走行までライダーに合わせたモードを選択することが可能だ。



メーターは視認性の高いデジタル表示

モードセレクトなどは左ハンドルに設置されたボタンで直感的に操作できる
オフロードだけでなく、MotoGPでも大活躍し、その技術がフィードバックされている
KTMはオフロードに強いメーカーというイメージがあるが、2020年シーズンのMotoGPクラスで初優勝を飾るなどロードレースシーンでもその技術力を高めている。そして、そこで得た技術を市販車にもしっかりと反映している。
このバイクに跨り、キーをオンにして、液晶に表示される「READY TO RACE」の文字に、テンションが上がるオーナーの様子が容易に想像できる。ネイキッドでもそのスローガンを存分に味わえる。890DUKE Rは、そんなアグレッシブなミドルスポーツバイクだ。

近年のKTMロードモデルの多くは、センターで2つに分かれた特徴的なヘッドライトを装備する

キーをオンにするとディスプレイに「READY TO RACE」の文字が表示される。KTMファンにはたまらない

KTMといえばこのオレンジのカラーリング。そのデザインはスタイリッシュでマシンの性格をよく表している

RIDE HI創刊号では原田哲也さんがインプレッション。市街地でも機敏な運動性の高さを高く評価している
THE 2020 KTM DUKE 890 R | KTM
SPEC
- Specifications
 - KTM 890 DUKE R
 - エンジン
 - 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
 - 総排気量
 - 889cc
 - ボア×ストローク
 - 90.7×68.8mm
 - 圧縮比
 - 13.5対1
 - 最高出力
 - 89kW 121hp/9250 rpm
 - 最大トルク
 - 99Nm /12,500rpm
 - 変速機
 - 6速
 - フレーム
 - クロモリスチール鋼管
 - 乾燥重量
 - 166g
 - キャスター/トレール
 - 24.3°/99.7mm
 - サスペンション
 - F=テレスコピックφ43 mm倒立
R=スイングアーム+モノショック - ブレーキ
 - F=φ320mmダブル R=φ240mm
 - タイヤサイズ
 - F=120/70ZR17 R=180/55ZR17
 - 軸間距離
 - 1482mm(±15mm)
 - シート高
 - 840mm
 - 燃料タンク容量
 - 14L
 - 価格
 - 146万5,000円
 



