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【BITO R&D KAWASAKI Z1 インプレ】コンプリートの頂点クオリティはまさに最新バイク!

  • Words:根本 健
  • Photos:海保 研(PHOTO SPACE RS)

パワフルさもハンドリングも最新ネイキッド並みに扱いやすく楽しめる

オリジナルがそのまま使われている部分がほぼない
徹底した最新テクノロジーで刷新された仕様

BITO R&Dといえば、カスタムパーツでマフラーはもとより鍛造ピストンからカムシャフトなどエンジン全般にFCRレーシングキャブレター、前後の専用サスペンションに加えて世界的に名高いマグ鍛ホイールを製造するメーカーという、実に広範囲に渡る高機能専門のブランドだ。
そしてそこに込められたパフォーマンスが、イメージしがちな切れ味の鋭い尖ったものではなく、優れた過渡特性という多くのライダーに掴みやすい感性にまとめられているところが一番の魅力なのだ。

その象徴がレジェンド代表のカワサキZ1をベースとしたコンプリートマシン。レストアを兼ねてカスタムする世界が、最新バイクを凌ぐパフォーマンスを発揮するという、想像を絶する世界が展開されるからだ。

誕生して半世紀も経つZ1。カワサキ初の大排気量4気筒は余裕のある耐久性が与えられていたメリットで、いまも多くが稼働状態で生き残る。しかしレストアして走らせると、さすがに旧さを感じさせる面は否めない。
ところがBITO R&DのZ1コンプリートマシンは、走りだすと完全に現代のバイク。最新のバイクと比較して遜色ないどころか、完璧に凌いでいるところだらけで、正直唖然とさせられてしまう。

50年前どころか最近でも例のない
ハイチューンでも馴染みやすい過渡特性に驚く

最大の魅力は紛れもなくエンジン特性。オリジナルの903ccを、ボア径66ミリから76ミリへ拡大した1,197ccへスケールアップして、ピストンはもとよりシリンダーライナー加工で実質新規エンジンといえる状態だ。バルブ周りからカムシャフトに及ぶのはもちろん、クランクシャフトも加工調整とすべてがいまのノウハウに刷新されている。同社HPのJB-POWERコンプリートマシンのページで詳細がチェックできるのでご覧いただきたい。

その結果、中速域の強大なトラクションを柱に、高回転域でもパンチ力のある野太いダッシュ力が維持される、豪快なパワー特性を楽しませる。路面を蹴って突き飛ばされるような加速力に見舞われたとき、思わずニンマリしてしまう快感に包まれるのだ。50年前はもちろん、最近でもこの最新バイクを凌駕するパフォーマンスはおいそれと経験できる種類のものではない。

そしてさらに痺れるのが低回転域のニュアンス。FCR35φのような大口径レーシングキャブレターは、吸気速度の遅い低回転域だと常識的に扱いにデリケートさが必要で、車体のバランスをとるためであろうと、大きめの開度にはレスポンスしにくいもの。それが1/4~1/2開度であればSTDのキャブや現代のインジェクションと変わらない扱いやすいフィーリングで、ちょっと開けただけで呼び出せる独特な力量感は感動モノだった。

これらはジェットニードルやニードルジェットなどの設定が装着車輌の特性に細かく対応できている証しで、このノウハウは一朝一夕で得られない。レベルの高いチューニングの、高次元な満足感で充たされながらの走りはご機嫌そのものだ。

世界頂点レースの馴染みやすい過渡特性を知る
ノウハウが反映された走りの醍醐味は格別!

BITO R&Dのコンプリートマシンの素晴らしさは、エンジンチューンのプロならではのパフォーマンスのハイエンドクオリティに加え、足周りを含む車体チューニングとの組み合わせで得ることができる総合的なレベルの高さにある。

試乗したZ1は、前後18インチで扁平率がワイドではない車体に合ったラジアル仕様と、人気の自社製で超軽量なマグ鍛ホイールの組み合わせ。フロントフォークもリヤサスも、専用の仕様で設定されているため、すべての挙動に一体感を伴う信頼感に包まれている。
前後輪のグリップ感を伝えやすいようハンドル形状やステップの位置までこだわっているため、常に多過ぎない情報の安心感がベースにあって、バイクとの対話を楽しみながらのライディングに終始できる。
感覚的には路面にやや押しつけたような感性の安定感が特徴で、いわゆる軽やかな動きの運動性ではない。ブレーキやスロットルに体幹の重心移動など、きっかけを与えると即座に反応するカッチリとしたレーシングマシンに似た感触だ。
アメリカのAMAスーパーバイクから、世界耐久選手権に世界GP最高峰クラスでマシンセッティングに明け暮れたキャリアから、トップライダーであろうと唐突な変化がある状態では闘えないのを熟知した末のノウハウが反映されている。
コーナーが続けば相応に操る醍醐味を味わいたくなるハンドリングで、そもそもがレジェンドZ1であったのを忘れ、無我夢中にさせる硬派なスーパースポーツの1台としか思えない別世界だった。

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兵庫県豊岡市のBITO R&D 本社工場。最新の切削加工マシンが揃い、各種の高度なパーツをオリジナルのノウハウで開発生産する

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凛としたレジェンドZ1の佇まいを見せながら、外装を除き全面刷新した究極のコンプリートマシン。BITO R&DのHPでご覧になれる、ほぼ全面刷新できるハイエンドなパーツ類が揃う。予算やご自分の好みで選べるよう、コンプリートマシンのページにはすべてのパーツのリストと価格表が掲載されている

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FCR35φレーシングキャブレターにはBITO R&Dのノウハウを注ぎ込んだ証しのJBステッカーが貼られている

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車両に装着されているパーツなど、詳しくはBITO R&DのWEBページをチェック!
BITO R&D
JB-POWER Complete machine KAWASAKI Z1

協力/ BITO R&D
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