発進直後の安定性は体重が乗り切っているかで左右される
信号待ちから発進するとき、半クラッチが長く繋がるまでに時間と距離がかかると、その間に進路変更などバイクを思うように操れないという不都合が生じる。
まずは短い半クラを覚えるのが先決だが ライドナレッジ120:もうひとつ忘れてならないのが体重をすぐに載せ切ること。
むしろ半クラッチ状態でも、体重が載り切っていれば、進路変更も容易くできたりする。
ではこの体重が載っているいないかは、何が違ってどこをどうすれば良いのだろうか?
シートに体重が載った状態でスタートしよう!
半クラッチでスタートしていくとき、直前に両足で着いていたりすると、シートから体重が抜けやすい。
極端な例を挙げれば、腰がシートから浮き気味だと半クラで走り出すとき、股の下をバイクが先に出ていってしまうことになる。
ただ着いた足を上げれば、自然にシートへ体重が載るので、バイクだけすっぽ抜けるようなことにはならないのだが、僅か10cmやそこらでも、コンマ何秒でも、後輪へ体重が載り切っていない時間が存在することになる。
それを未然に防ぐには、発進直前は片足だけで着いておくこと。
減速した後の、停車時に着く足は、軸足側でも利き足側でも、もしくは両足でも状況次第で対応しやすいよう使い分けたほうが安心だし立ちゴケも防げる。
しかし発進しようとするときには片足で軽く支える程度にして、シート座面へタップリと体重を預けた状態でいるようにする。
そして動き出したのと同時に、足をステップへ載せてしまう。
ビギナーでまだ慣れていなかったり、たまにしか乗らないライダーは、意識してこの予め体重をシートに載せた状態で発進する行動の順序を習慣づけておきたい。
これができているか否かは、それこそ交差点の左折小回りができるできないを決定づけてしまうからだ。
短い半クラを覚えて発進直後の小回りターンを簡単クリア
ライドレクチャーのアーカイブにあるように、半クラッチはエンジン回転を上げておいてそこへクラッチを徐々に繋いでいくやり方だと、時間もかかる(距離も長い)のとその都度偶然にまかせた受け身状態に陥りやすい。
とくにビッグバイクはアイドリング回転域のままクラッチを繋ぎながら、エンストしないようスロットルを捻るといった按配に練習して近づけておきたい。
これができてくると、発進直後に左折小回りしたいとき、クラッチが繋がる前の速度域でも、クラッチを一瞬だけ切ったほうが、駆動力が曲がれる範囲を妨げずに済む。
そしてまさにこのタイミングで、体重が後輪へシッカリと載っていることが、クイックに安定した小回りができるか否かの鍵を握っているのだ。
信号待ちでそろそろ発進というタイミングで、シート座面が体重をうけている状態にする手順を、何度も繰り返しながら身につけておくよう強くお奨めしたい。